FC2ブログ

shore

ものつくりの生活と仕事から。 大島寛太の日記パート2

Drop leaf table

ドロップ・リーフ・テーブルの制作を続けています。

自分の仕事を説明する時に、自分の仕事が“制作”なのか、“製作”なのか、一応区別しています。以前辞書で調べてみたところ、いわゆる作品をつくる事には制作の文字をあて、製品(若しくは商品)をつくる場合には製作の文字をあてるのが慣例であるようです。

では作品と商品の違いは何だろうかと考える。以前、semi-acoの加賀さんがブログで書いていたいたことを踏まえて自分で定義し直してみると、自分にとって、売れなくても価値のあるものは作品。売れなくては価値のないものは商品。少々強引に、ひとまずこう定義してみる。

初めての仕事では、デザインをあたため、図面に起こし、つくるプロセスを確立し、自分のなかのイメージを具現化する。これは制作だと思う。2回目からは、既存のプロセスをいかに素早く合理的になぞるかに意識は傾く。目的は“つくること”の先にある。これは製作だと思う。

このふたつのセイサクには決定的な違いがある。英語で言うとcreateとmakeの違い。それが日本語だと同じ“つくる”になってしまう。この両方の要素が僕にとっては重要です。主観を働かせ、イメージを追求するcreate.。客観的に仕事を眺め、主観を判断するmake。そのどちらかだけに傾くことも、僕は希望していない。主観でどーんと行って、客観でチクチクと刺す。そのふたつの歯車の噛み合うところに、自分の立ち位置を探してみたい。職人であるだけでは自分の仕事に意義が感じられないし、職人未満の作家には断じてなりたくない。さあ、難しいこと言ったぞ。





先日の自作金物の続き。コンターで切り抜いたものをヤスリがけして成形。






今回使うのは6枚。どうすれば上手くいくか。かたちも構造も加工手順も考えながらで時間がかかる。でも、しょうがない。登山に例えると、こういうのは薮漕ぎ(ヤブコギ)と言うのだと思う。





削り。

一度道が出来ると、通うのは楽になります。
スポンサーサイト



  1. 2011/12/27(火) 22:54:00|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

20111225




1224のご馳走。風呂窯ピッツァ。
風呂を焚いて、熾き火になったところでピザを投入。職人Yの勘が冴えます。









こっちは猫のニャゴのクリスマスのご馳走。
焼海苔とヨーグルト。地味な好みだねぇ。
渋めだねぇ。









ニャゴ。ただいま7歳?
四脚の先が白いのでホワイトソックスの敬称もあります。
好物はフリスキードライとネズミ君です。












開けて25日。
今年の初冠雪(かおりさん、“冠雪”でっせ)。
玄関を開けると一面の雪景色。テンションは振り切れて、静けさが訪れます。
写真下に我らの小さな住まい (カンが撮ってくれて以来、このアングルはお気に入りです)。






















クリスマスにハマダクロースがプレゼントしてくれた帽子をかぶって、朝の散歩。一湊、はじめての雪。ナウシカに出て来そうな帽子です。アスベルが被ってそう。











和歌山に引っ越して来て、6度目の年末。北海道生まれですから、雪に囲まれると否が応でも故郷を思い出す。それは、自分が置いて来たもの。これで、よかったんだろうか?生きている間には、どうしても決断をしなければいけない時があって、ひとつの選択で、その後の人生は大きく変わる。本当は、いつの瞬間も、その時の連続なのだと思う。それでも選択の大小はある。ここに引っ越してきたのは、僕にとっては大きな選択のひとつだった。いま決めた事が、どのように自分の人生を左右するのか、わからない。その善し悪しにいたっては、尚更わからない。それでも、決めなければいけない時は来る。あとは、自分が選んだ道を自分で肯定できるよう、努力することが出来るだけだと、思って来た。いまもそう思う。
  1. 2011/12/27(火) 22:01:00|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

かべ

木工、特に家具をつくる仕事をしていると、算数の大事さがよくわかります。寸法は長さであって数字ではないんだけど、いちおう方便として数字で表します。家具の構造によっては、関数の計算もよく使う。

先日、藤門弘さん訳のシェーカー家具の解説書を読んでいたら、いま制作中の片側タイプも含めて、跳ね上げ式の補助甲板がついたテーブルの類を、英語ではdrop leaf tableと呼ぶらしい。




ドロップ・リーフ・テーブル(ネットより借用)




伸張した補助甲板を支えるためには可動式の脚が必要で、今回はオリジナルの構造に取り組んでいます。さて、ここで問題。





点Cは固定しています。
線分aが点Cを中心に時計回りに120°回転し、線分bと重なるようにするためには、線分aはx軸方向にどれだけ移動すればよいか求めよ(線分aは線分b上で切れており、点Cとはつながっていない)。

自慢じゃありませんが、僕は数学がすーごく苦手でしたし、未だにそう。文系一筋で来ましたし、数学を勉強する意味がわからなかった高校時代は0点もよくありました。なにせ、なにが分からないかが、まずわからない。何を考えていいかわからないので、ひとまず言葉に置き換えてみる。でも解決の糸口が見つからない。手をかける枝が見つからない。例えるならば、ガラスの壁。

散々考えて、解らなくて、通りがかりのヨッちゃんにも聞いて・・・ふと気付く。なあんだ!単純なことじゃないか!点Cを中心に120°回転した線分aはb’と重なるので、線分aを単純に線分b上に移動させると考えればよい。だから線分aから垂直に-10mm移動したところに求める線分a'は来るので、求める数値は10mmの斜辺になる。計算は10÷cos30=約11.54。つまりx軸方向に-11.54mm移動すれば良い。

苦手意識があるから、必要以上に難しく考えてしまう。実はすごく単純な事なのに身構えてしまう。数学に限らず、自分の身の回りの事に関して、出来るならばもっと遠いところまで、感情や先入観抜きに、単純に物事を見つめられるようになりたいと、願う。





求めた数値を当てはめて図面を描き、




コンターで真鍮板を切り抜き。コンターマシン。金属加工用の機械ですが、モーターの回転数を調整して、木工・金工両方に使えます。“コンター (contour) とは輪郭のことで、板にけがいた線に従って板など加工品を動かして外形を加工するのに用いる。” 左記wikipediaより。汎用性の高い、コストパフォーマンスに優れた、工房の必需品です。

今年はクリスマスとは一切縁のない一日を送っている大島ですが、結が風呂窯ピザを焼いてくれている。さて、晩飯よばれに行って来ます。皆様、よいクリスマスを!
  1. 2011/12/22(木) 23:11:00|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

年末の仕事












先日追加納品分の椅子の組み立てを終え、おそらく今年最後になるであろう仕事に取りかかっています。随分お待たせしてしまっているテーブル。

今回は使い勝手に合わせて片バタフライのテーブル。普段は壁面に付けて片側からだけ使い、来客時には壁から離して、エクステンド(拡張)して使う。田辺市内のご注文なので、一度お宅にお邪魔して、持って帰ってきた記憶を下敷きにイメージを練る。

お宅のフローリングがメープル調だったので、ご了解を頂いて材料はメープルを調達。本当はイタヤカエデを使ってみたい気持ちがありましたが、ちょうど用途に合う乾燥材が見つからず北米産のハードメープルにした。

北米材はじめ外国産材は、輸入時の取り扱いやすさも考えてのことか、同じ厚み、一定の長さで人工乾燥を行った規格材が手に入りやすい。国産材になると建築用材は細かく規格に分けて製材されたものが手に入るけれど、広葉樹はそうではない。そもそもどんな用途に使うかが決まらなければ、どのように製材するかも決められない。薄く細く製材してしまうと、それ以外に用途がなくなる。厚く、大きく製材しておけば、用途に合わせて挽き直して使う事ができるので、嫁入り先の決まっていない丸太は必然的に大きめに製材される。2寸とか、3寸とかの木目のきれいな一枚板は比較的探しやすいけれど、例えば今回のような時に、歩留まりよく(無駄なく)つかえる1寸強の揃った板を探そうとすると、なかなか見つからない。

自分の定番が在って、その目的に合う丸太を、目的に合わせて製材し、自分でストックしておくというのが理想の材料調達だけれど、何年も先の仕事を見据えて材料を買っておくほどに、自分は確定していない。でも、それが目標だなあ。全ての仕事に関してというわけにはいかないけれど、そういう安定感を仕事の底につくりたい。


・・・・・・・・・・


メープルは初めて扱う材種です。一言で言えば、難しい。木肌が白いので、小さな欠点がすごく目立ってしまう。金筋(かなすじ)という鉱物を吸い上げた部分が現れることがあり、刃物が痛む。けれど材質は緻密で、手触りの良さと上品な風格はやはり独特の魅力を持っている。木の持つ魅力を引き出せるよう、能う限りを尽くすのみです。






 
  1. 2011/12/19(月) 00:04:00|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

一湊、寝返りをうつ。

 


12月8日で5ヶ月になった一湊。先日はじめて寝返りをうちました。

それまでは横向きにまではなるんだけど、例えば左向きに回ろうとするとよく太った左腕がなかなか乗り越えられない。別に乗り越えなければならない訳でもない。遊びなのだろう。右向きになったり、左向きになったりして、結局まわりきれなくて、またゴロンと仰向けになって、それで喜んでいる。

ところが或る日、台所からふと振り返ると、
一湊が寝返って頭を持ち上げ、非常に満足そうに、満面の笑みでこちらを見ている。
感嘆の賛辞を述べるときゃあきゃあ喜んでいる。


・・・・・・・・・・・


初めて親になった者は、皆感じることなのかもしれないけれど、
自分の人生のなかに、なにか今までなかったものが在る。

自分の内部の、今まで在ることすら知らなかった感情に手が届く。
それは今まで底であると思っていた場所より少し深いところにある。
底に小さな穴が開く。
開いた穴から水が入り込んで来て、水と船の境目がわからなくなる。
水になる。
人生に難破する。
それは、受け入れるということだろうか。
底に穴を開けて、水になって、わたしは白いはんぺんを浮かべている。

こんなふうに、抽象的にでも言わなければ、
とても語れないような、
親馬鹿な、話です。
















  1. 2011/12/16(金) 01:18:00|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

11月

 

アサギマダラ
海を渡る蝶で、南へと向かう途中らしい。
11月1日撮影。
1年のうちで、秋の数週間だけ会える。

光に透けて美しく
フワリフワリとどこかからやってきて、
近づくと飛び去ってしまう。
なんて、
まるで運みたいじゃないか。
まったく気付いていない振りをして、
興味なんてこれっぽっちもないような顔で、
1日1センチずつ近づく。
それか、間髪を入れず反射神経で飛びかかる。
いずれにしても、
あと一歩で逃げられてしまう。

待ってくれと追いかける。
追いかけて追いかけてそれでも捕まえられず、もう走れない。
とうとう草むらに倒れ込む。
仰向けになると蒼空が眩しい。
目を閉じてまぶたに日光を感じながら、
息が収まるのを待つ。
動悸が静まって来ると、
いろいろな音が聞こえて来る。
蜂の飛ぶ音。
風にこすれる葉のざわめき。
ヒバリのさえずり。
ふと目を開けて頭をあげると、
つま先に蝶がとまっていた。


これは日本的な考え方だろうか。
自分の無力を悟って初めて求めているものは与えられる。
僕にはそういう考え方が相に合っている。
そのように今は思う。


・・・・・・・・・・・





11月3日撮影
11月末に龍神村の親友で林業家の大江君が結婚した。
その引出物にと、僕にとっては定番と呼べそうな拭漆鎬5寸皿を注文してくれた。前回初めて試してみて気に入った樟で制作。工程の多くが手作業になるため枚数がまとまっても手間が省ける訳ではない。こころが焦っていると、それが結果になって現れる。なので、本当は焦っているのだが、焦りを黙らせて、その上に座って鑿と玄翁をふるう。焦りは床板から浮いた釘の頭のようだ。これを黙らせるには玄翁のまるい方の頭で思いっきり叩いてから、釘締めで沈ませる。それでも、すこしずつ浮いて来る。で、また引っかかる。
実はこの鎬のお皿は実家にあった一枚の刳り鉢に感動したところから始まった。母がかつて福島の檜枝岐(ヒノエマタ)で買ったというマタギの刳り鉢。材種はセンで、内側を鑿、外側を鉈ではつっただけの、作為のない、清々しい鉢。決して真似できない。だって、おそらくその鉢は何かを真似てつくられたものではないのだ。



・・・・・・・・・・・







11月11日撮影。

長野小学校の学習発表会の合わせて行われる長野作品展の準備で小学校の体育館に行く。翌日の発表の練習で子供たちが歌っている。その歌が素晴らしくて、不覚にも泣きそうになる。大人が歌ったとしたら、歯が浮いてしまうような清純な歌詞なのだが、子供たちが歌うと真っ直ぐにこころに届いてくる。なんていう曲名だったか、思い出せない。これだけは負けやしない。この情熱だけは。と面と向かって言われたのは、初めてだった。





11月11日撮影。

渋柿収穫。なにかが実っていると、穫らずにはいられない。これ、健全な反応だと思うんです。
結が皮を剥いて軒先にぶら下げる。あ~、秋だなあ。と痛感する。もう秋だ。仕事やべ。
ちなみに妻が、実家が干柿屋の友人から聞いた話です。干柿はカビが生えやすく、この辺りでも皆さん12月になるまで、つまり気温が下がるまで干しません。このカビを防ぐには、皮を剥いた柿を干す前に、さっと熱湯にくぐらせると良い。本当です。まったく生えません。お試しあれ。


・・・・・・・・・・




11月12日撮影。
5寸皿やっと木地が仕上がり。
注文の30枚+19枚。



・・・・・・・・・・





11月20日撮影。
他の仕事を急いでいるので5寸皿の拭き漆は夜の仕事になる。夕方6時半から一湊と五右衛門風呂に入り、夕飯を食べて仕事場に戻る。久しぶりの徹夜明けの朝陽の窓。柿の木の影がステンドグラスみたいだ。ほんの数分間のだけの影絵。あ、ステインドグラス、だっけ?



・・・・・・・・・





11月23日撮影。
銀木犀の椅子の追加納品分を製作中。来年度分のサンプルとして材種違いでもつくっている。同じ物を何度も繰り返しつくるのは好きだ。無駄と迷いが少しずつ減り、わかってくる。何度も何度も何度も繰り返してやっとわかってくることがある。それは、大事なことだと思う。体が動くようになる。それは、きわめて大事なことだと思う。



・・・・・・・・・・





11月29日撮影
さあ!明日は龍神で大江君とふみちゃんの結婚披露宴だ。
多めにつくったお皿をお祝いに贈る。
明日までに仕上げなければいけない仕事がもうひとつあるので、包装を結にお願いする。よっ!名人!どうしてなかなか僕ではこういう風には出来ない。料理はつくることの基本を備えていると思う。材料の目利き、相手を想いやる気持ちと自分の好み、彩り、盛りつけ、全体としての演出。料理の盛りつけが上手い人は、包装も上手ね。ありがとう。

それから、披露宴に出席する皆からのサプライズプレゼントということで、披露宴総括・るあんの聖さんからオブジェを注文していただいた。それを明日までに仕上げなければいけない。写真を撮る余裕はなかった。ふたたび徹夜で、30日・午前11時、龍神に向けて出発。



・・・・・・・・・・



11月30。
結婚披露宴@龍神村。
12時から夜の11時まで。久しぶりの酒がうまか~!
いつもながら、その場に集中しているときは、カメラの存在をすっかり忘れてしまう。
1枚くらい撮ればよかった。
多くの、心からの友人に祝福されての船出。
大江君、ふみちゃん、おめでとう。
これからも、ますますよろしくね。



・・・・・・・・・



さて、12月。
仕事やべ。


  1. 2011/12/06(火) 04:45:00|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0