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ものつくりの生活と仕事から。 大島寛太の日記パート2

石積み






先日から続いている石積み工事。
大きな石で積んでいるので、積み上がるのが早い。
とても人力では持ち上がらないのでワイヤーで括ってユンボで吊って積んでゆきます。今回の工事では夢のタッグが実現。モンタケ(モリタケオ)さんとナスタケ(ナスタケジ)さんのtaketakeコンビ。二人とも石積みの棟梁なので、一緒に仕事をしているのは今まで見たことがない最強ユニットです。ちなみにモンタケ(たけやん)さん78歳。ナスタケさん80歳である。テコと玄翁のふたつでどんな石も積んでゆく。体と道具のつかい方、身のこなしは見ていて本当にためになる。ちなみにナスタケさんは、僕が仕事場に借りている建物のお隣さんで、昔は気性が激しかったらしいけれど、いまは穏やかなじいちゃんです。





昨日は雨で半日休み。今日は朝から積んで、15時に天端石を積み終わり(石垣の一番底に並ぶ石をネイシ、一番上に並ぶ石をテンバイシといいます)。僕からすれば、こんなところにホンマに石を積めるんやろうか?と思うようなところに、淡々と石垣を積み上げてゆく。経験とノウハウに脱帽です。タケタケコンビの背中にローカルヒーローを目の当たりにした数日間だった。おつかれさんでした。
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  1. 2011/10/16(日) 19:26:00|
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石を割る

昨日からたけやんが登場し、石垣積み直しの工事がはじまった。まずは、材料拵え。上流から沢を転がり落ちてきた石を、積みやすい大きさに割ってゆく作業。ヨッ!たけやん、腕の見せどころ!



↑link


何気なくやっているように見えて、石はどこでも割れるというものではないらしい。仕事が乗ってくると饒舌自画自賛、口は滑りっぱなし。

『ほう、見てみい。トフを切ったような(豆腐を切ったようだ)』

『まっすぐにしかええ割らな~、こころがすぐいさか(こころが真っ直ぐだから石も真っ直ぐにしか割れません)』


そんな軽口を叩きながら、車でいえばローギアで、じわじわと仕事を進める。急ぎもしないかわりに淀みもない。こうして山から石を切り出しては、ここ長野地区のの急傾斜地を削り、石を積み、道をつくり、畑をつくり、家を建てるための平地をつくってきた。僕はその世代の苦労を知らない。

たけやんと仕事をするのは面白い。決して親切にあれこれ教えてくれない。ちょっともたつくと直ぐに野次が飛んでくる。野次の一言一言を真に受けていると、自分はどうしようもなく役立たずの間抜けのクズである・・・ということになるので、野次は気にしない。大事なのは焦らないことと、1パーセントも腐らないこと。100パーセントの能力が出せる以上に急がないことと、結果をイメージすること。そんなことを内心呟きながら、罵声に負けないようにする。我慢しているとそのうち手本を見せてくれる。

『石はオカアをおだくように持ったらええんやけどね』

『石割るのはオカアのまた割るようにはいかんどぉ』

いちいちの解説が下ネタなのには閉口してしまう・笑。けれど、道具の使い方、体の使い方、玄翁の柄はこの木を使うとか、この石はもろいけど火には強いとか、そういう話が僕にとっては非常におもしろい。土地に根ざした知恵。





ハンマドリルで穿孔して、そこに“せり矢”をこめて、玄翁で叩く。端から順に叩き、叩いてはひと呼吸おく。『一服しいもうてやるんや』。石はじわじわと割れるらしい。ちなみにたけやんが振っているのは2貫玄翁で、1貫は3.75㌔だから約7.5㌔。今でこそ矢穴はドリルであけますが、むかしは鑿を3貫玄翁で叩いて掘ったらしい。ちなみにその鑿の焼き入れも、やはり自分の仕事である。




“せり矢”。両脇の耳がついたものが“せり矢”で、真ん中は“矢”。矢を叩くとせり矢が穴を押し広げてゆく。




石が割れはじめた状態。小さなヒビ。けれどこの小さなヒビが入ると、もう決定的に“割れて”いる。

さて明日からは石積みだ。たけやん、お手柔らかにお願いします。
  1. 2011/10/12(水) 00:49:00|
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権力なき石垣



先月の台風12号で窯小屋の方の石垣が崩れてしまった。窯本体は無傷でしたが、放っておけない状態。タケヤンにお願いして月曜から石垣積み直しの工事です。今日は窯小屋を一部解体しました。

重機などない昔はすべての作業は人力で行っていた。古くはピラミッドから城郭の石垣まで。途方も無い仕事量と工夫、昔の人は偉かった・・・と関心する反面、権力を象徴する巨大建築には当時の人民の悲鳴を聞くような気もします。

いまはこうした小規模の工事でも重機がなければ話にならない。人出で出来ないことはないけれど、人的もしくは時間的費用は跳ね上がってしまう。月曜からはユンボが来るので、ユンボが通れるように。そのための一部解体です。

もともとここに積んであった薪は、先日友人たちに手伝ってもらって移動。こんなときに駆けつけてくれる友人が近くに居てくれることは本当にありがたい。VCOFFEEの芝さん、cotyleの濱口さん、niwakayamaの隼人君、どうもありがとうございました。







薪だけは、いっぱいある我が家です。

  1. 2011/10/07(金) 21:48:00|
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T邸の建具など

 先日の関東行きの際に、仕事の打ち合わせ兼ねて佐竹勝郎建築設計事務所を訪問。昨年新築された自宅兼事務所へお邪魔して、1年ぶりの再会をハートランドで乾杯。来年1月に上野にて着工予定のT邸の設計図を見せて頂きながら、設計意図や苦労話を面白く拝聴しました。

建築予定地の裏手は江戸千家の庭であるということで、その庭を借景として取り入れた建物形状と窓の配置、建具に期待される採光の効果など。コンパクトな建坪に両側は住宅。“住吉の長屋”にも似た厳しい条件のなかで、木造3階建ての住宅をどう設計するのか。知識が増えれば増えるほど設計という迷宮は深くなるだろうと思う。建築家という職業にまず必要なのは勇気ではないだろうかと、お話を聞きながら思った。

いままで店舗リノベとご自宅の新築と三度、玄関ドアを納品させて頂きましたが、今回の設計はひときわ野心ある意欲作とお見受けしました。こっちもイメージを蒸留して、静かにすっと納まるような仕事で応えたい。楽しみです。

酒席の締めは昨年に続いてお手製の“イモニ”。山形出身の佐竹さんが語る“イモニ”蘊蓄がまた面白い。ちなみにイモニを炊く際には躊躇と恐れは禁物なのです。まず具材を酒・味醂・醤油などで炊いて、これでもかというほど味を含ませる。それから水を足してコトコトコトコトと炊く。ワインと前日から仕込んで下さっていたイモニで腹の底から暖まって、フラフラで夜行バスの帰途についた大島でした。


佐竹勝郎建築設計事務所HP
  1. 2011/10/06(木) 02:28:00|
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藍染めボーダーシャツ

 先月のことになりますが、
生まれて初めてのモデル体験をさせていただきました。


撮影:こうのさちこ


(なんて普段通り・・・笑。すみません)

藍染めボーダーシャツの撮影です。つくり手はニワカヤマの澤口隼人さん。僕より3つか4つ年上のものつくりの先輩です。職人としては若手であると思いますがキャリアは長い。和歌山に来る前は東京都青梅市の藍染め工房で勤められていた。ですから車は今も八王子ナンバーです。さあ、それは置いといて。

今年6月の大阪グループ展の際、つくり手とその背景を紹介するためにDVDをつくりましたが、そのとき初めて彼が仕事をしているところを見た。藍染めというと、絞りや筒描き、型染めといった柄を染める(または抜く)ことを僕は想像しますが、その日は澤口さんは糸を染めていた。綛(かせ)糸を藍瓶に浸け、時間を計り、引き上げて捻って絞る。絞った糸を伸ばして吊るす。吊るし終わるとまた綛糸を藍瓶に浸ける。その繰り返し。

仕事ぶりを一目見てわかることがありますよね。年季といえばいいのだろうか。同じ仕事を丹念に繰り返すことによって、動きの過不足がなくなり、蟻があるくような、鳥が飛ぶような、水が流れるような合理性が動作に現れること。体のキレ。淀みなさ。なぜそう感じるのか説明できないけど一目見てわかること。ああ、この人は職人だとそのとき思った。というかわかった。

染めた糸を和歌山市の和田メリヤスさんがボーダー柄の布に仕立て、タブセニットさんが縫製する。この行程にも興味深い話がありますがそれはニワカヤマのホームページにて。糸から染めて編み上げたボーダーシャツというのは、あまり聞いたことがない。実際にシャツを手に取ると、まず生地が厚い。ぎっちり編んである。僕は例えばgoodwearのヘビーオンスのTシャツ
が好きですから、この手応えが頼もしい。どんどん着て、どんどん洗って下さいねと服が言っている。それから深い藍色と白のコントラストが目の覚める鮮やかさ。この生地は服になっていなくても好きだろうな。洗いを繰り返していくうちにどんな風合いになってゆくのか、すごく楽しみでならない。

ボーダーシャツは10月1日から、有楽町の紀州物産店でも販売されているそうです。今回の撮影はその販売ポップ用。お近くの方はぜひ実物を手に取ってみてください。

ニワカヤマHP
  1. 2011/10/05(水) 22:29:00|
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大島 龍 木版画展 @札幌

 






大島 龍 “狼の世界” 木版画展
the wolves world

2011年10月3日(月)~10月8日(土)
am10:00~pm6:00(最終日はpm5:00)
札幌時計台ギャラリー
札幌市中央区北1条3丁目 仲通り
tel 011-241-1831



父・大島 龍の個展です。昨日から始まりました。
札幌では32年ぶりの狼展とのことです。
上に掲載しているのは“ひとり”というタイトルの作品で、生まれ育った家の壁にもいつもかかっていた。大好きな作品のなかのひとつです。








9月中はポスト制作にかかりきっていたので、納品を終えてから額をつくり始めましたが間に合わない。間に合わないけど気にせずつくっています。

今回つくっている額は今年7月の個展(山形・恵埜画廊さん)の折りに送ったものと同型で、材種はウェンジ。アフリカの木です。よく乾燥すると厚板を8分幅で挽き割っても殆ど動かないという驚異的な性質をもっています。こういう性質を“寸法安定性が良い”といいます。写真をモノクロで載せたのでわかりませんが、材色は黒に近く、よく見ると濃褐色の縞がはいっている。立ち木を伐採した直後の色は明るい黄褐色であろうと思います。それが空気に触れて酸化しながら黒く変色してゆく。厚板を挽き割った内部にはその黄色味が残っていることがありますが、1週間もすると黒くなってしまいます。この木は家具職の先輩、敬愛する石田徹さんから教えてもらいました。

木味というか木の持っている品格がすばらしく、上品すぎず野蛮すぎない。野性味に溢れていて、尚かつ知的である。なんて褒め過ぎか?まあ、惚れている訳です。高価な木なので、どこにでもいつでも使える訳ではない。ただ、このウェンジでつくった額が僕はとても気に入っていて、もう額はこれ一本にしようかと思っているくらい。地産地消の尊ばれる時代ですが、僕は地元産の木に拘るつもりはいまのところない。良いものは良い。良い木は良い。父もこの額を気に入ってくれて、こんな言葉をくれました。日本でもアフリカでもいいよな。made in 大地だからな。

さてその木の持つチカラを損ねないよう、
仕上げはひと鉋ずつかたちを削りだしてゆくのであります。
必ずや近いうちに父とのコラボ展をするのだと、、、思いを込めながら。
  1. 2011/10/04(火) 02:06:00|
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銀木犀の椅子




引き続き銀木犀の家具です。

7月に納品した食堂用のアームチェア。ノックダウンのテーブルは樫本弘さん作。樫本さんは同じ田辺市に工房を構えておられて、僕の仕事場とは車で10分くらいの距離。6年前に和歌山に越してきた当初から、人生相談にのって頂いたり、セルフビルドの棟上げに駆けつけて頂いたり、仕事場立ち上げの際には土間コン張りを手伝っていただいたり、とにかくお世話になっている同業の先輩です。

さて椅子の件。塗装前の発送間近にデジカメが故障して、結局仕上がったモノの写真を撮っていなかったので、先日撮らせてもらってきた。






















材種はWアッシュ。初めて使う材でしたが、ヒノキのフローリングや明るい色目で統一された内装と馴染んでくれているように感じます。

前にも書いた気がしますが、4度目の試作でやっとこの形に落ち着きました。はじめ施設の家具と聞き、軽くて丈夫なものが良いだろうと考えた。まあ、当然そう考えると思うんです。基本的におじいちゃんおばあちゃんが使うのだから。

ところがそのコンセプトで試作を2つ作り、既存の施設でテストしていただいたところ、頂いた感想は、“椅子ごと転びそう”、“すぐ壊れそう”、もっと厳しいご指摘もありましたが、総じて言えば華奢すぎるとのこと。そうか、自分で椅子に座れる方ばかりではないのだ。

それから自分でも地元の施設を見学させてもらったりして、入居者の方がどういう風に部屋から食堂へ来て、どういう風に席につき食事をし、そこで時間を過ごすかということを観察すると、そこにはいつも介助者の方がいるんですね。入居者の方が椅子の隣まで来ると、職員の方がすっと椅子をひく。脇を支えて椅子へ腰かけることを助け、着席するとテーブルへ椅子を押し込んであげる。椅子は人が座る道具だと思っていたけれど、施設の椅子というのは、座る人と介助する人のあいだにある道具だった。

だからこの椅子は、一番には掛け心地に重点を置いていますけれど、アームの下側、介助する方が椅子を押し引きする際に手をかける部分の削りに特に気を配っています。





銀木犀屋内。壁のかすれ傷を刷毛塗りで楽しそうに補修しているのが下河原さんです。
  1. 2011/10/02(日) 23:51:00|
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