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ものつくりの生活と仕事から。 大島寛太の日記パート2

天地始粛

 今日、8月28日は72候の天地始粛。てんちはじめてしゅくす。
天地の気が粛然として万物があらたまる頃。とあります。
旧暦は7月19日。

今年は残暑が厳しいですね。
夏去らず。
それでも草むらの我が家は夜になれば涼しく、今は月が明るいので縁台に布団を敷いて、半露天の贅沢な野宿を楽しんでいます。

昨日は午前中パソコンで簡単な作業をしていると窓に激突する音あり。
覗いて見ると小鳥が頭を振っている。
「・・・!?」という感じ。






心配は猫のニャゴのみ。
見に行くと縁台で裏返っている。よし。大丈夫。
5分後くらいには正気を取り戻して藪へ帰っていった。
これはセンダイムシクイ。

僕は留守で見ていないんだけど、前はオオルリが同じ窓にぶつかったらしい。
・・・ガラス注意!と張り紙でもしておこうか?
そうしよう。

何度か書いたことですけど、私たちの住まいは梅畑のなかにポツンと建つ小屋で、北は高尾山に守られ、南に開けている。西に細い沢が流れていて、全ての生活用水はその沢から頂いている。東西に農道が走り、風水的には80点。高めにつけて80点。
近くに沢と樹林があるせいか、人里ではあまり聞くことのない鳥の声も聴けたりする。
何といっても一番の会ってみたい鳥はサンコウチョウで、春先の数週間だけ声を聞ける。
「ヒィ・ツキ・ヒ・ホン・ホイホイホイ・・・」と聞き例えられる鳴き声は特徴的で、季節になるといつも耳はその声を探している。結のもっているポケット野鳥図鑑はサンコウチョウのページだけ折り癖がついている。

先日は始めてアカショウビンの声を聞きました。
これも聞き間違い様のないよく通る響きで、真鍮の鐘を細かく振るような、少し寂しいような、でも毅然と存在を告げ知らせるような声。朝の5時頃。結に「ちょっと!ちょっと!」とたたき起こされて、2回だけ聞いた。聞いた瞬間、そうかな?アカショウビンかな?というのではなく、はっきりとアカショウビンだとわかる。脳裏に濃い柿色の姿が思い浮かぶ。まだ見たことはないんだけど。

はっきりわかる。本当に出会ったときは。音でも、姿で、味でも。それは間違えようがない。
そうだ、そうなのだった。ユリイカの瞬間は。




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  1. 2010/08/28(土) 19:46:00|
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人の言葉



武満 徹


この世界を、もうどうしようもなくなっているのに、
やはり肯定したい気持ちにさせられる。
あきらめと希望が同居し、明るさと悲しみが一緒くたなのに、
私は明日のことを考えている。



  1. 2010/08/27(金) 20:19:00|
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飾り棚(ディスプレイ・ラック)



先日ぴーすさんに納品した“たな”。
用事で出かけた折に写真を撮らせてもらってきました。
モノが載って、使われ始めて、どうやら違和感なくお店に納まった様子で良かった・・・。





店主と






仲間と自分たちで改装された店内は明るく肩肘はっていないくて居心地が良いです




以下、納品時の写真・・・。



















自作の金物で、山桜の支柱に杉の棚板を載せています。
レジから店内を見渡せるように。とのご要望で、注文をくださったときに店主の美奈さんとあれこれ話しながら浮かんできたのがこのかたちでした。
なるべく空間を遮らず、なるべくものを見やすく。
本当は支柱の一番上に、木彫りの小鳥かなにかを載せたい。











棚板は杉。削り仕上げはさっぱりし過ぎて、もう少し味が欲しかったので今回は“うづくり”で仕上げています。古来からある仕上げ方法で、馬の毛などを固く絞った“うづくり”という道具で板をと磨きます。年季の入った縁台の板などは夏目(木の年輪の筋と筋の間は、夏期に木がグングンと成長した部分で柔らかい。色の濃い筋のように見える部分は冬目と呼び、冬のあいだ木が半分眠りながらゆっくりと成長した部分で、細胞が詰まっていて堅い。どちらの部分も木質を構成している要素は同じで、違うのは密度だけです)が磨り減って、木目がはっきりとあらわれていますよね。人工的にあの状態をつくる作業です。
ひたすらに力を込めてこする。
するといい艶が出てきます。
うづくりした板を、砥の粉を柿渋で溶いたもので2回拭きあげ、柿渋で上塗り。それからオイルを2回。
板は古材の風合いを帯びてきて、好みの感じに仕上がりました。

今回は金物で苦労しましたが、急がずじっくり考えているとアイディアは浮かんでくる。
試して、駄目だったらまた考える。
疲れて眠る。
朝起きると、昨日は思いつかなかった簡単なことがあらわになる。
きっと、できる。
そう思うことの大切さ。
本当は、時間はたくさんあるのだ。

ぴーすさん、ありがとうございました。






  1. 2010/08/26(木) 21:08:00|
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窯出し 結の仕事

 20日に焚きあげて、5日間徐冷。今朝、焼き物を窯から出しました。
ここ数回は火力、火勢を調整するため、攻め焚きを始める800度過ぎくらいから少しずつヒノキのタンバ(製材所でもらってくる端材、背板とも)を混ぜて焚いてましたが、今回は結の判断でほとんど梅の薪だけを燃料に焚いています。
そこで取れる土を、そこにある木で焚く。これは実に理に叶った思考だと思います。
余計なお金も要らない・笑。
これ本当に大事なことだと思います。





1s肩












2s中段











3s












いいところ

  1. 2010/08/26(木) 20:36:00|
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処暑

 今日、8月23日は24節気の処暑。しょしょ。
残暑がしばらくとどまるが、朝夕は秋の気配がただよう。
72候は綿プ開。綿がふき始める頃。とのこと。プは木偏に付。
歳時記カレンダー談。

暑さが続いています。
温度だけならまだしも湿度の高さに閉口。

窯焚きの間はアドレナリンが出ていたのか、暑さも忘れて目の前の出来事に没頭していましたが、窯焚きが終わり、我に返ると暑い暑い。
でも不思議です。
仕事をしながら暑い暑いとおもっていても、昼飯時に家に戻り、昼食後スッパダカになって日向ぼっこしていると気持ちいい。面と向かうと対象は随分違って感じられます。

仕事場では、S様のコーヒーテーブルの続き。
窯焚きの間、乾燥室に入れていた部材を取り出し、木作り(きづくり・・・荒木取りした部材を所定の形状・寸法に整えること。ほとんどの作業は機械を使って行います)、ホゾ加工に入っています。



甲板

一番、気を使うテーブルトップの乾燥。
製材所で3寸の盤を寸2(1寸2分・36ミリ)に割ってもらったものを乾燥室に入れて乾かす。
ナラは本当に神経を使う木で、幾ら乾燥させても削るたびに動く(動く・・・木が反ったり、曲がったりすること)。性の良さそうな柾目板でもびっくりするくらい反る。大抵は、削ったり挽いたりすることで現れる新しい面の側が縮みます。
今回も用心を重ね、表裏を軽く削りもう一度乾燥室へ。木の性質を知らない頃は乾燥室から出した板を一度に寸法通りに仕上げ、翌々日くらいに大暴れした板を見て泣きました。
木の性質を把握したと言うつもりは全然ありませんが、前より慎重になったことだけは確かです。
今回は1寸(30ミリ)仕上げが目標です。





合間をみて5寸皿のオイル塗装。拭き漆やオイルの塗装は1回目でどこまで深く染み込ませることが出来るかが勝負だと思っているので、はじめのオイルは溜まりが出来るくらいにたっぷりと吸わせます。この皿は北海道・江別の“ドラマシアターども”さんでコーヒーカップのソーサーとして使っていただくもの。
どうせ、コーヒーがこぼれるのだからコーヒーを3回染み込ませて着色しています。
ここ数回の制作ではまったくサンドペーパーをかけず、鉋と鑿で仕上げたままお渡ししていましたが、布巾で拭いたりするときに糸くずがひっかかるのもどうかと思い、今回はウェットサンディングしています(ウェットサンディング・・・オイル(または何らかの水分)が乾いていない状態で、耐水ペーパーで磨くこと)。


  1. 2010/08/23(月) 20:14:00|
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人のことば

 父・大島龍の版画のなかの、いつも忘れがたいことば。

からっぽでみたされてすべてある
  1. 2010/08/22(日) 22:05:00|
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自然の知恵

 もう何年も前、何十年も山仕事をしてきた中頓別の高橋さんが言っていた。

マツは風や雪で幹が折れちゃうと今まで枝だったものが上に伸びて幹になるんだよ。


  1. 2010/08/21(土) 23:33:00|
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天神崎




































photo by u
  1. 2010/08/21(土) 23:30:00|
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窯焚き 結の仕事





よこまど











いろみ










おおくべ









千百



  1. 2010/08/21(土) 22:59:00|
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蒙霧升降

 昨日8月17日は72候の蒙霧升降。もうむしょうごう。
深い霧が立ち昇り降る頃。とのこと。
朝晩、冷えるようになるということでしょうか?

15日

紀伊田辺駅前のフェアトレードショップ・ぴーすさんに飾り棚を納品。
2階は“てんつくゲストハウス”で、この日はフランス人とイギリス人のお客さんが泊まっていました。トレビア~ン。

16日

中辺路町の“あわ田”へ獣害対策のネット張り、及び電柵張りの作業へ。
膝丈を越すほどの稲にはほろほろと花穂が膨らんでいた。

16日夜

同じく16日、窯に火入れ。結の仕事。焼き締め。4泊5日。100時間前後の窯焚きがスタート。
暑いですが非常に楽しみです。疲労を超えて清清しいところまで歩きたい。

17日

次の仕事に向けて木取りの作業。ナラでコーヒーテーブルを作らせていただきます。
木は一度切ると元には戻らないので木取りの作業は慎重に行います。
もっとも緊張する工程のひとつ。虎杢のはっきり顕れた素晴らしい柾板が手に入り、痛んだ部分を避けながら作業を進める。ウイスキーの樽にも使われるオーク(なら)は香りも素晴らしく、バニラのような甘い香りと木目の美しさに歓喜しながら、感謝とも祈りとも似た感情が湧く。





18日夜明け

窯焚き2日目の夜番を終え、夜明けに交代。
一番好きな時間。夜明け。




梅の薪

準備は万端。20日焚き上げの予定です。

さて、夜番に向けて寝ます。おやすみ。
  1. 2010/08/18(水) 19:56:00|
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寒蝉鳴

 昨日8月12日は72候の寒蝉鳴。かんせんなく。
ヒグラシが鳴きはじめる頃。とのこと。
ヒグラシに関しては、家や仕事場のまわりではかなり前から鳴いています。
2週間くらい前から鳴いているんじゃないか?
夕暮れちかくなるとリリリリリリ・・・・・と、その音色は火照った体に心地よい。
別に何かを主張したり、求愛しているようにも聞こえず、
ススキの穂が風にそよぐような音。


仕事場では前回ミズメでつくっていた5寸皿が仕上がり、次は山桜でもう10枚拵えています。こちらは拭き漆仕上げで、龍神村の豆腐屋“るあん”さんのカフェでカップソーサーとして使っていただくもの。ちなみにカップは美山村在住で日本人離れしたバイタイリティーと陽気の持ち主であるkaokaoこと石田佳織さん作。

裏面

前回の続き・・・おもて面(上面)を仕上げた後、墨線にそって機械で丸く切り抜き、裏面(底面)を削っていきます。グラインダーにカービングディスクをつけたもので荒くはつり、ノミで仕上げ。この皿を初めてつくったときは力加減がわからず、この工程で何枚も割りました。
かれこれ100枚近くつくっているかも知れないうちに、流石に“これ以上叩くと割れる”境界線が分かるようになって、繰り返すことの意味を実感します。

ミズメは堅い

10+5-1





  1. 2010/08/13(金) 21:14:00|
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立秋



立秋の夕焼け


昨日8月7日は24節気の立秋。
72候は涼風至。りょうふういたる。秋を感じさせる涼しい風が吹く頃。
猫の飯と石鹸粉を買いにホームセンターへ出かけた帰りに、空は夕焼け。
夕焼けって言葉がいいですね。英語だとsunset。これは日没の意味で、美しい日没とか、燃えるような日没と装飾する言い方しか僕は知らない。
昨日は夕方から涼しい風が吹いて、夜風にあたると、どっと肩の力が抜けるような心地よさ。歳時記カレンダーには“暦のうえではこの日から秋”とあるけれど、本当は気持ちのうえではこの日から秋。だろう。秋のはじまり。峠を越えて下りはじめた日。




しごと

ぴーすさんの飾り棚の仕事を終え、今度は再びの5寸皿。喫茶店でソーサーとして使っていただくもの。そもそもは家具を制作した端材を活用してつくっていたのですが、今回は手ごろな端材が揃わないのでまっさらの板材から木取り(きどり・・・材料となる板や角材などから制作に使う部分を選びだすこと、また製材すること)しています。材はミズメ。

仕上げ

鑿(のみ)で荒掘りした後、鉋で仕上げてゆきます。手のひらにすっぽり納まる豆鉋は、仕上げたい窪みのアールに合わせて自作したもの。機械鉋用厚さ3.2ミリのジョインターナイフを切断し、巾方向、厚み方向にテーパーをつけ、台に仕込む。この豆鉋は四方反りなので、刃先も台の下端も同形状のアールに研ぎ、削り合わせています。
豆鉋の仕込みは長野県・松本の前田木芸工房・前田純一先生に教わりました。僕は住み込みの弟子でもなく、お訪ねしていった門外漢でもあるにあるに関わらず、「ウチはフルオープンだから」と仰って僕が聞きたかったことの10倍も多くのことを話してくださった。完全に無償で教えること。それが伝えるということだ。とも。説明すると言葉になるので言いませんが、この言葉は真(しん)ですね。深い水を湛えた成熟した思想。そして本当に大事なことは技術ではないということも教わりました。(もちろん技術があって、その先の話です)
ホームページ内で木工・指物関連の技術の粋を公開されているので関心のある方は見てみると良いと思います。ただし、自分の位置というものを否応なく知らされますが。


話は変わって一昨日は今年の初泳ぎに。
日ごろ屋内で過ごしている我が身に日光が心地よく、陸上の常識をぶっ飛ばしてくれる水中の世界の優雅さにしばし時を忘れる。そうそう。時を忘れる。我を忘れて。
この感覚は自分を充電してくれる時間なのだ。
  1. 2010/08/08(日) 20:00:00|
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大雨時行

 昨日8月2日は72候の大雨時行。たいうときどきおこなう。
夕立が時々ある頃。とのこと。
ありませんね~!ほんとにない。
毎夕、畑に水やりしています。梅雨のあいだ元気のなかったズッキーニが実をつけはじめ、オクラも収穫できるようになってきました。今年は早蒔きした20本ばかりの枝豆も鞘を太らせている。

仕事場では、田辺のフェアトレードショップ“ぴーす”さんの店舗用飾り棚の制作を進めています。


サクラ

今回の構造は2本の支柱が要になっていて、構造材はヤマザクラ、棚板は杉で誂えています。支柱の形状は円柱で、4角の角材を8角形に、それから16角形にするところまでは機械で、そこからは手鉋で削ります。

削る

木工は引き算の仕事です。大きな塊から必要な形を削りだし、必要に応じて組み合わせてゆく仕事。
ほぼ全ての加工は切るか削るか掘ること・・・つまり不必要な部分を取り去ってゆくことです。今回のように棒を丸めるときは、先にホゾ加工を済ませます。
鉋はプラスの力とマイナスの力を均衡させて削ります。鉋を材料に押し付けるのではなく、自分が主体になって動く。平らでまっすぐなのは材料ではなく自分の動きで、それと平行して精密な鉋台の調整があります。鉋の基本は平鉋ですが、調整が如実に表れるのも平鉋。研ぎは当たり前で、仕込み具合、裏刃との研ぎ合わせ、押さえ溝と刃の間隔、台の下端、そして台は季節に応じて動くし、使っていれば刃が減り、裏がきれる。常に面倒をみて、面倒をみてもらう。

よく鉋10年とか言いますが、いかにも職人らしい物言いだと思います。鉋で板を削ることはそれ程難しいことではなく、道具の構造を理解すれば理屈通りに調整できるようになるし、研ぎも才能など要りません。この言葉は、鉋は難しいと言っているのではなく、鉋は奥が深いということを言っているものだと思います。平らな板一枚削るのは簡単ですが、いつでも必要なときに、イメージのとおりに鉋を使えるようになる。というのは、これは難しい。極めて難しい。難しいというか遠い山頂です。歩け。

  1. 2010/08/03(火) 22:01:00|
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