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ものつくりの生活と仕事から。 大島寛太の日記パート2

全と個

昨日、ジーワークスで次の仕事の木取りをして、2次乾燥室へ材料を並べ、今日から4日間は家で仕事。この4月から独立して仕事を始めるので、準備がいろいろとあります。

 

結の実家の風化気味な納屋を木材置き場として使わせてもらうことになり、その掃除と手入れ。
片付けをして、掃き掃除をして、不要な壁を抜く。壁は竹木舞の土壁。片側が貫伏せ(ぬきぶせ)だけの荒壁。反対側は緑っぽい、セメント入りの仕上げ壁。



こちらは荒壁側。土をはがして露わになった竹木舞は、藁縄で編んである。多分手縒りの藁縄。この辺もひと昔前は棚田がたくさんあって、人々の生活は半自給。木工の作業場にと、この1月から借りている旧地区会館には醤油絞り機もありました。地区のみんなの分を、まとめてつくっていたらしい。いまは換金作物の梅が米に替わり、お金で用を足す時代ですが、じーちゃん・ばーちゃん世代は牛耕で田んぼをやっていた頃に青春を過ごしている。そんなじーちゃんのひとり、せいやんが『雨の日や夜に藁縄を縒ったんやで。昔は建前(棟上)やっていえば、酒と藁縄持っていったからな~』と話していた。つまり、近所で棟上があると、藁縄もって木舞かき(この辺ではエツリかきといいます)までを手伝いにいったんですね。それで、いつ必要になるかも知れないから、時間をみつけては藁縄を縒って貯めておいたんやって。
時代がくだると、早く安くが賢いということになって、編み縄はビニール紐になる。僕が自分のとこの壁下地を編んだときは、ビニール紐ではせっかくの土壁の良さが半減するので、市販のシュロ縄をつかいました。僕の思う土壁の最大の良さは自然から生まれ、自然に還ること。


先日、本宮住まいの親友と龍神の豆腐屋・るあんを訪ねた。薪で大豆を炊き、消泡材も使わず、昔ながらの、僕の感覚で言うと最先端の、つまり最良の、そして楽ではないやり方で、豆腐をつくっている豆腐屋さん。つくり手のKさんに仕事にまつわる話を聞かせてもらいながら何度も、地元に根ざした・・・というニュアンスの言葉を聞いた。言い換えると足元を掘り起こすということだと思う。Kさんはもともと別の仕事をしに龍神に来たんだけど、龍神に住むうちにジジババから、昔は家で豆腐をつくってな~、堅い豆腐でそりゃあ美味しかったんや~。あんな豆腐はどこにも売ってない。また食べたいな~。という話を聞いたらしい。それで、そんな美味しいものが龍神にあったのか・・・!と思いは募り、その当時薪で豆を焚いてつくる豆腐屋は日本全国どこにもなかった(途絶えていた)らしいので、地元のオバーに訊きながら、手探りで豆腐屋を始めたとのこと。自分の足元から、仕事を掘り起こした、ということ。


この土壁をはがしながら、自分の足元、この土地の時間、暮らしを掘り返している感覚を覚えた。竹木舞を編んでいる藁縄から、当時の人の暮らしぶりが髣髴とされる。そこにはなにか大事なことがあるような・・・。

それから二十歳の初夢を思い出した。
初めの場面で、僕は何者かに追われて、エスカレーターを駆け上がってくる。その後に続いて黒眼鏡のガイジンが追いかけてくる。黒幕のボスは女で、何かはわからない、同じものを探していて僕は狙われている。場面は変わりながら、僕は逃避行を続けている。黒人奴隷の働く綿花のプランテーションや、巨大な断崖(グランドキャニオンのような場所)に無数の住居跡の穴が開いた古代都市、そんな風景を横目に走りつづけ、いつしか赤茶けた荒野に僕はいる。風が吹いて、乾いた土埃が舞い立つ。ふと立ち止まる。そこは昔、川が流れていたらしい。いまは干上がって、カラカラに乾いた川底がむき出しになってる。かつての川底に立って上流を眺めていると、足の下が音を立ててかすかに振動する。なにかと思って足元を覗くと、自分の足の下から水が湧きはじめていた。・・・という夢。


自分の足元を掘る・・とはどういうことだろうか。
今日はすこしその実感が湧いた。
そして自ずと湧き出るものとはなんだろうか?
9年来の探し物は、答えの在りかだけはわかっていて、答えは未だわからない。






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  1. 2010/01/30(土) 19:44:00|
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青空鉄工所



最近はジーワークスの仕事の合間に、前出のK岡さんが依頼してくれたハイスツール脚部をつくっていました。



1枚目が製作途中、2枚目が仕上がり。4本の足が放射状に外へ広がる形は、木工で言うと四方転びと呼ぶ形態。僕も、四つんばいになって背中に人を乗せるとしたら自然とそうなるであろう形態。寺社の鐘撞堂(かねつきどう)などにも見られる、最小限の部材で安定を得るために有効なかたちのひとつ。自然なかたち。そうそう、生まれたばかりの仔馬が何とか立とうとしてはつっぷしながら、やっと自立したときのかたち。この形態は大好きなんですが、木組みで実現しようとすると、とても難しく、まだチャレンジしたことがない。
溶接仕事のための作業場はないので、今回も青空天井。冬晴れのお天道さまに励まされつつ、溶接焼けでみっともなくパンダのように日焼けしつつ、手探りで独学する鉄の仕事はやはり楽し。座板はK岡さんが自分で据えるので今回の仕事はここまで。鉄脚のスツール・椅子はいずれ取り組もうと思っていて、今回の仕事にもたくさんのヒントがありました。かげい師匠、どうでしょうか?

我が家のまわりでは梅に続きタンポポが開花。
毎年、楽しみにしている薮椿も開花。
ああ、雪に埋もれたい・笑。


  1. 2010/01/28(木) 22:55:00|
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リンクリンクリンクリン

 ジーワークブログをアップしました。
よろしかったらどうぞ。

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  1. 2010/01/27(水) 20:34:00|
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リンクリンクリン

ジーワークスブログ、アップしました。
よろしかったらどうぞ。

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  1. 2010/01/25(月) 22:46:00|
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農民かジプシーか


今日は中辺路のK岡邸にて鶏〆を教わってきた。
K岡さんのところはアイガモも飼っていて、本日はアイガモ4羽と鶏が3羽。
カモ小屋のカモを網でパサっと伏せるところから始まって、シメ、羽根取り、解体まで。



お湯につけて羽根を取り除いているところ。
アイガモは水鳥だから、ニワトリと違って羽毛が細かくびっしり生えている。ダウンみたいな柔らかい毛が、毛足の長い羽根の内側にあって、レインコートの中にインナーを着ているような感じ。
生きているときは、平べったいくちばしと無垢な瞳がとても可愛い。そうかあ、この可愛いやつをこれからさばくのか・・・なんて気が起こる間もなく、K岡さんは小屋から運んだカモの首をすっと引く。
具体的なさばき方なんかも勉強になったけど、今日学んだことは“感情よりはやく手を動かす”こと。
いろいろな仕事に共通して言えることだと思うんだけど、余計な、余分な、過剰な感情がこころの隙間に入ってくる前に手を動かす。ものつくりでも同じだな、と思う。コテコテな感情の産物は自分にとってしか意味がない。



K岡さんはセルフビルドのベテランで、このフォトの建物は3作目のバー兼ゲストハウス。
昨年末の餅つき忘年会の翌朝に撮ったもの。古材と土壁がいい感じで、ディテールの創意工夫には頭が下がる思い。

カモ〆の後はこのバーハウスで宴会。鴨汁、レバサシ、ササミサシ、タイカレーなどが絶品(涙)。

僕は、普段の食事で肉を食べる。なんかこう、スーパーで買った肉ばかり食べていると、ありがたみが実感を伴わないというか、自分のしていることがよくわからないというか。自分の食べるものを自分で調達することは大事なことだと思ってるから、だってもともと人間、食べ物を調達するために生きていたんだから、自分でさばいた肉を食べるのが、自然なことだと思うのであります。キレイな生活はどうもうしろめたい。自分が調達できるものだけ食べてりゃ、それが理想だなあ。やっぱ将来は鶏を飼って、卵・肉は自家調達できるようにしたい。そうやって、ゆっくり地に根が張ってゆけばいい。ジプシーへの憧れは涙が出るほどに強いけれど・・・。

そうそう、家の前の梅の枝に一輪、花が咲きました。


  1. 2010/01/20(水) 23:52:00|
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初日

あけましておめでとうございます。
年明けからこんなに遅れた挨拶で大丈夫だろうか・・・?
気を取り直して、
投稿しようと撮りためたフォトをアップ。
今年の元日は本州最南端串本町の大島へ初日の出を見に出掛けました。
厳密に言うと本州最南端になるのは串本町潮岬という半島の突端で、
僕らが出掛けた大島は離島になるので“本州”最南端ではない。
海に近いところに住みながら、つい仕事優先で、海へはなかなか出られない。
僕も結も海辺で生まれ、海への憧憬は肌身離さず、こんなときには海を見たくなるのであります。


今年の元日は奇しくも満月でしたね。
2週間も前の話ですが、今一度、大島で車から降りたあたりに記憶を飛ばして・・・
エイッ!エイッ!・・・届きそうだぞ・・・





西の空の満月   




何故、雲もないのに月が欠けてみえるのかな・・・と思ってみていたんですけど、
あとで聞いたところでは部分月食だったそうですね。
下の写真は部分月食しているところ。

さて東の空


吹きさらしの風が強くて、それでも随分人がいたんですね。
人人人・・・の頭越しにやっと雲の間からお日さんが顔をのぞかせた・・・。

ここはあまりに人が多かったので、この後、釣り人の通い道を伝って海岸線の方へ降りてみた。






岩場に座って朝日が昇ってくるのを眺めている。
やっぱりなにかしら特別な思いをこめて眺めているというか体感している。
朝日が射してくると、あったかいんですね。
印象じゃなくて、物理的に。
陽が昇ってくるのをずーっと眺めていると、だんだんと陽に照らされてからだがあたたかくなってくる。
こんなふうに朝日を体感したのは初めてだったし、
思いを鎮めて、迷いを払って、清々しい一時を過ごすことができてよかった。

あけてけふ おもいはしろき としはじめ

今年もよろしくお願いします。
皆様の一年の健康をこころよりおいのりします。







  1. 2010/01/14(木) 00:17:00|
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